「回復が遅い」と言われる家族であっても、家族は家族なりに自分の回復プログラムを作り、セルフヘルプ・グループのミーティングに通いながら、回復の路線を歩いています。本人や家族にはそのような回復プログラムが必要なのに日々彼らに合いながら治療や看護や相談などの仕事をしている私達に、そのような回復のプログラムが必要ないはずはありません。
AA(Alcoholics Anonymous=無名のアルコール依存症者の集まり)の活動は1935年に始まりました。回復の遅い関係者が今からセルフヘルプ・グループを始めても、この差を縮めることはできないでしょう。しかし遅ければ遅いなりの「回復」はあるはずです。私たちが今からでも回復の路線を歩かなければ「関係者は回復が遅い」と言われるどころか、やがて「やっぱり関係者は回復しない」と言われる日がくることでしょう。
まったく健康な人間などと言うものが存在するとは考えられませんし、人間は皆、健康な部分と病んでいる部分(課題)を併せ持っていると考えたほうが自然のことですが、課題に一人で向き合ってゆくことはもっと大変なことだと思います。もし同じような問題意識を持つ仲間がおり、経験と力と希望の分かち合いができたなら、気軽に自分の課題と向き合うこともできるようになるでしょう。AG(アウェイクニング・グループ)は、このような考えを持つ仲間が集まり、1992年5月20日に誕生しました。もしよろしければあなたも一緒にやりませんか?