自助グループの運営
- 会場係の役割
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開場時間より早めに来て、ミーティング会場を開けます。公共施設等の貸し会議室を利用している場合には、
書類のサイン等も必要かもしれません。開場したら照明、空調、椅子、机などを整え、チラシ等の印刷物を並べます。
お茶などの準備をする自助グループもあるかもしれません。
- 司会係(ファシリテーター)の役割
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- ミーティングが始まったら、簡単に自己紹介をしてミーティングの趣旨とルールを説明します。
予めマニュアルとして用意しておいたものを読み上げるのも良いでしょう。
- もし話すテーマなどがあればそれを伝えます。テーマはその場で意見を募って決める場合もあります。
- 必要があれば話す順番を決めます。時計周り、あるいは来た順番などで良いでしょう。
- 司会は、司会であると同時に一参加者でもあるので、他の参加者と同じ立場で話をします。
ただし基本的なルールに則ってミーティングが進行するように気を配る必要があります。
批判・説教の応酬になるなどルールが乱れた場合には割って入ることが必要です。
話す時間配分については、言いっぱなし聞きっぱなしのミーティングではストップウォッチで時間を計ることもあるようです。
あまりに長く話をする参加者がいたら、やんわりと止めに入ることが必要です。
逆にほとんど話をしていない参加者がいれば、何か話し足りないことがないか聞いてみましょう。
- ミーティングの最後に今日の簡単な感想を参加者に促す場合もあります。
- ミーティングの最後を締める挨拶をします。予めマニュアルとして用意しておいたものを読み上げるのも良いでしょう。
- 今後のミーティング予定など連絡事項があればそれを伝えます。
- 初参加の人への対応
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ミーティングに初めて参加するのは大変勇気がいることです。緊張している人もいるでしょう。
初参加を歓迎していることを伝え、チラシ等を渡してミーティングの趣旨やルールを説明してあげると良いでしょう。
簡単な自己紹介をお願いするのもいいでしょう。
- 遅刻した人への対応
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もし話すテーマなどが決まっている場合には教えてあげると良いでしょう。
- 会計係の役割
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ミーティング開始時あるいは終了時に会費を徴収します。
遅刻、早退する人がいる場合がありますので、箱などを用意して各自いれてもらう方法もあります。
自由献金の場合には各自の献金額がわからないように配慮が必要です。
会場使用料、チラシ印刷などの支出があれば領収書と引き換えに費用を支払います。
- 事務ミーティングの開催
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事務ミーティングは自助グループの運営に関する事柄を相談するミーティングです。
事務的な打合せですので、
自助グループのルールを厳守する必要はありません。
このミーティングの中心となるのは自助グループのコアスタッフになりますが、そうでないメンバーも参加できます。
- 開催頻度
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通常のミーティングを行う頻度等にも左右されますが、
事務ミーティングを行う頻度やタイミングとしては以下のようなものが考えられます。
ある程度は定期的な開催が必要です。
- 月1回、あるいは3~6ヶ月に1回開催する
- 通常のミーティングの後に簡易的に開催する
- 何か議題が発生したときに開催する
- 議題
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事務ミーティングで取り上げる議題としては以下のようなものが挙げられます。
- 会計の状態
- 自助グループの広報・宣伝
- 自助グループの方針
- 備品等の購入
- 問い合わせへの対応
- イベント等への参加
- 司会・会計・会場係等のローテーション
- 問題のある参加者への対応
- スタッフマニュアルの作成
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会場係、司会係、会計係などの役割のマニュアルを作成しておくと良いでしょう。
ごく簡単なものでも構いません。
担当者が欠席した場合や、役割をローテーションさせる場合に役立ちます。
- 参加者への事務連絡
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ミーティング会場や開催日時の変更などがあれば参加者への周知が必要です。
名簿のようなものを作っておいて、電話や電子メールで連絡するのもひとつの方法です。
しかし会員制の自助グループでない限り、
参加者の電話番号やメールアドレスを把握しておくのは難しいかもしれません。
事務連絡を周知する手段としては以下のようなものが挙げられます。
- ミーティングの最後に告知して、その場にいる参加者にも周知をお願いする
- 自助グループのウェブサイトやブログ、掲示板で告知する
- Twitter, Facebook, LINEなどのSNSを利用していればそこでも告知する
- 広報活動
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自助グループを開始してしばらくはなかなか参加者が集まらないかもしれません。
口コミに期待する以外には、以下のような方法が考えられます。
- チラシの配布場所を増やす
- イベント等に積極的に参加してチラシを配布する
- Twitter、FaceBook等のSNSで宣伝する
- 別の自助グループのウェブサイトからリンクを張ってもらう
- 当サイトのようなウェブサイトに情報登録する
- ウェブサイトを充実させる
ウェブサイトがある場合には、まめに更新すると良いでしょう。
最低でも月に一度は更新したいところです。
全く更新がされていないと、その自助グループが今も活動・存続しているのかどうかも疑われてしまいます。
何月何日にミーティングを開催する、あるいは開催したというだけの情報でも構わないので、
開催情報を掲載すると良いでしょう。
- 人が集まらない場合の対応
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人が集まらない原因としては以下のようなものが考えられます。
- 広報が効果を発揮していない
- 扱っている問題を抱えた人がその地域に少ない
- 抱えている問題が解決したり状況が変わったりして来なくなる人が多く新しい参加者が少ない
- 開催場所の交通の便が悪い
- 会費が高い
- 開催頻度が低過ぎる・高過ぎる
- ミーティングの進行や参加者の言動などに問題がある
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ルールが乱れているのに司会が注意しない、
参加者の言動が暴力的、下品な場合などが考えられます。
自助グループは人によって合う、合わないという相性があります。
1回参加したきりで継続参加しない人がいても、あまり深刻に考えないほうが良いかもしれません。
また、よく参加していた人が来なくなった場合、
その人は自助グループなしでやっていけるようになったのかもしれません。
自助グループの存続が困難になるほど人が集まらない場合は、事務ミーティングで検討が必要です。
検討の結果、自助グループの解散を選択することもあるかもしれません。
人が集まり過ぎた場合の対応
1~2時間のミーティングで適正な参加者の人数は最大で15人くらいまででしょう。
それ以上になると一人が話せる時間がとても少なくなってしまいます。
幸か不幸か参加者が増え過ぎてしまった場合には、開催頻度を増やす、
新たに別の場所、日時での開催などを検討する必要があります。
難しいメンバーへの対応
自助グループにとって問題となるような行動としては以下のようなものが挙げられます。
- 自助グループのルールを守らない
- 次から次へと異性に声をかける
- 人間関係を病的に混乱させる
- ミーティングの様子を録画・録音する
- 取材・研究目的等での無許可な参加
- 冷やかしの参加
その場で注意して済むような問題であれば、主催者、司会などのコアメンバーが調整あるいは注意する必要があります。
場合によってはその場で退去をお願いするなど、強い態度に出る必要もあるかもしれません。
判断、対応が難しい場合には、事務ミーティングで相談すると良いでしょう。
相談の結果、問題となる人物を出禁とする必要があるかもしれません。
出禁にもできず、問題人物の参加による被害・悪影響が甚大な場合には、
一旦自助グループを解散してしまう、という対処方法もあります。
自助グループの解散
自助グループがその機能を十分に果たし切った時、あるいは機能しなくなった時は
自助グループを解散することになります。
解散時に必要な作業としては、以下のようなものが挙げられます。
- 広報の停止
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ホームページがあれば解散のお知らせを掲示する必要があります。
SNSを利用していればそこでも告知しましょう。
連携している団体などがあれば解散の連絡が必要です。
- 備品等の処理
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チラシ、マニュアル、その他備品を処分する必要があります。
チラシを配布している場所があれば、そこのチラシも処分します。
- 会費の処理
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事務ミーティングで相談する必要があります。
コアスタッフ間で分配する、適当な団体に寄付する、という処分方法が考えられます。
- 問い合わせへの対応
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既に配布したチラシなどを見て問い合わせをする人がいるかもしれません。
その場合の対応も考えておくと良いでしょう。
困ったときは
運営上のことで何か困っているときは、クリアリングハウスや社会福祉協議会、精神保健福祉センター
などが相談に乗ってくれるかもしれません。