自助グループによくある質問(FAQ)

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自助グループ・ピアサポートによくある質問とその答え(FAQ)を紹介しています。

どんな人が来ますか?
自助グループにはあなたと同じような問題、悩みに向き合っている人々が集まっています。 自助グループによっては年齢や性別に偏りがあるかもしれません。 性別や年齢等の制限を設けている場合もあるかもしれません。 オープンミーティングと呼ばれるミーティングでは、 問題の当事者ではない人も来るかもしれません。 詳しくは、それぞれの自助グループにお問い合わせください。
問題の当事者なら誰でも参加できますか?
その自助グループが扱っている問題の当事者であれば、参加できる場合がほとんどです。 ただし、自助グループによっては性別や年齢に制限を設けている場合があります。 尚、地域のボランティア団体やNPO、病院、公的機関が運営に関わっているグループ(サポートグループ)では、 参加者がその地域に住んでいたり、その機関の利用者である必要があるかもしれません。 詳しくは、それぞれの自助グループにお問い合わせください。
参加費用はいくらぐらいですか?
小額(数百円程度)の参加費が必要な場合もありますし、献金・寄付を募っている場合もあります。 月額いくらという会費制の場合もありますが、ミーティングに参加する度に支払うのが一般的です。 自由献金の場合、払うかどうか、いくら払うのかは個人の判断に委ねられます。 献金額が決まっていない場合に支払う目安としては、0円~数百円で良いでしょう。
参加する際に入会手続きは必要ですか?
入会手続きが必要な自助グループもありますが、多くの自助グループでは不要です。 入会手続きが必要な場合は個人情報を自助グループに提供することになりますので、 その自助グループが本当に信頼できるのか注意が必要です。信頼性に不安がある場合は、 自助グループに詳しい知人、医療・福祉機関等に相談してみると良いでしょう。
どこでやっているのですか?
自助グループによって様々です。運営費を抑えるため、 公民館等の一室を借りているケース等が多いようです。 詳しくは、それぞれの自助グループにお問い合わせください。
何人くらい参加していますか?
自助グループによって様々ですので、事前に問い合わせてみるとよいでしょう。 数人から十数人という場合が多いようですが、何十人も参加している自助グループもあります。 人数が多いと自分の事を十分に話す時間がないかもしれません。 なお、悪天候、交通機関の乱れなどによって参加者が少なくなる場合もあります。
参加するのが不安です。
あなたは自分の抱えている問題や悩みを正直に話せる人に出会えなかったのかもしれません。 あるいは、話しても徒労に終わったり、的外れなアドバイスをもらったりして うんざりしたことがあるかもしれません。 自助グループはそんな人のためにこそある集まりです。 ただ、世の中には様々な自助グループがあるので、あなたと合う合わないという相性があります。 自助グループという集まり自体が性に合わないということもあるかもしれません。 しかしそれは参加してみなければわからないことです。 自助グループに参加しても大してお金はかかりません。 発言をパスすることもできます。一回参加したからといって継続的な参加が必要なわけでもありません。 一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
自分が問題の当事者かどうかわからないので、参加していいのかわかりません
自分が問題の当事者かどうかを決めるのは、専門家や医者や他人ではなくあなた自身です。 症状が軽いから、状況はそれほどひどくないから私は当事者ではない、 ということにはなりません。自助グループに参加すると、他の当事者の話に耳を傾けることで、 自分の状態を客観的に見ることができるかもしれません。
どんな雰囲気なんですか?

おおよその雰囲気を知るには、そのグループの主催者や参加者に直接聞いてみるのが良いでしょう。

自助グループには個性があるので、それぞれの雰囲気は異なります。 同じ自助グループであっても参加メンバーによって雰囲気は変わってきます。 同じ参加メンバーであっても、話題や気分、場所によって雰囲気は違うでしょう。 そして、参加しているあなた自身の気分や体調によって、雰囲気の感じ方は異なってきます。 このように自助グループの雰囲気は生き物ですので、参加してみなければわからない部分があります。

また、自助グループに対して暗い、固い、ネガティブなイメージを持っている人がいるかもしれませんが、 自助グループだから辛い、悲しい、しんどい話ばかりする、とは限りません。 前向きでポジティブなミーティングもあるでしょう。 笑顔や笑いの絶えない和やかなミーティングもあるでしょう。 飲み会と変わらないようなミーティングだってあります。

オープンとかクローズドって何ですか?
一般的に、オープン(open:開いた)とは当事者以外でも参加できるオープン・ミーティングを指します。 当事者以外に医療・福祉関係者や当事者の家族・知人などが参加しているかもしれません。 一方、クローズド(closed:閉じた)は当事者だけが参加できるクローズド・ミーティングを指します。 特に示されていない場合は、当事者だけが参加できるクローズド・ミーティングであることが多いです。
ピアサポートとかピアカウンセリングとかピアミーティングって何ですか?

「ピア(peer)」とは「仲間」という意味です。「当事者」と置き換えても良いでしょう。 「ピアサポート」とは、同じ問題に向き合っている者同士による、共通の経験と関心に基づいた相互支援活動です。 その活動は、仲間が、そして自分が、自分の問題を自分で解決するための自己決定を手助けするためのものです。 本人に代わって問題を解決することではありません。

ピアサポートの手段のひとつがピアカウンセリングです。 ピアカウンセリングを数人の仲間同士で行う場合の考え方は以下のようなものです。

  • 自分の価値観を押し付けない
  • 傾聴が基本
  • 相手の価値観を尊重する
  • 秘密を守る
  • わからないことについては限界を認めて適切な専門家に頼る
ピアカウンセリングの手法は自助グループの 基本的なルールとほぼ同じと考えて良いでしょう。 ピアミーティングとはピアカウンセリングの手法を用いて数人の仲間同士で相互支援するミーティングです。 自助グループのミーティングはピアミーティングである、と言えます。 ピアミーティングと自助グループのミーティングにあまり厳密な違いはないと考えて良いでしょう。
サポートグループって何ですか?
自助グループではスタッフと参加者が同じ立場の当事者としてミーティングに参加しています。 司会はミーティング進行のために司会という役割を引き受けているだけで、他の参加者と同じ当事者の立場です。 それに対して、スタッフ、特に司会(ファシリテーター)が参加者と異なる立場にある場合に「サポートグループ」と呼ぶことがあります。 グループカウンセリングと呼ぶことがあるかもしれません。 サポートグループでは、問題の経験者や専門のカウンセラー、医師などが司会、あるいは顧問(オブザーバー)として参加する場合があります。 その場合には、スタッフなどから専門的な援助や相談を期待できるかもしれません。 また、司会の立場は自助グループより強くなるかもしれません。
ピアスタッフとかピアサポーターって何ですか?
ピアスタッフとは、事業所や病院などで当事者の経験を生かして働いている当事者(経験者)のことです。 ピアスタッフは、ピアサポーター、当事者職員、ピアカウンセラー、ピアヘルパーと呼ばれることもあります。 仕事としてピアスタッフと呼ばれる立場で働いているのは、今のところメンタルヘルス分野が中心となっています。
エンパワーメントって何ですか?
エンパワーメントとは「やっていく力や意思が沸いてくる」というような意味の言葉です。 エンパワーメントは、人や組織から指導されたり押し付けられるような 上から下へ向かう力によって生じるものではなく、当事者自らの内側に湧き上がるものです。 福祉だけでなく教育やビジネスの分野でも使われる言葉ですが、 自助グループやピアサポートでは、仲間同士の経験の分かち合い等によってエンパワーメントされます。
レジリエンスって何ですか?
「レジリエンス」とは「自分で立ち直る力」を意味する心理学用語で、 「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」とも訳されます。 レジリエンスには脳内の生理学的な要素だけでなく、 「自尊感情」「安定した愛着」「ユーモアのセンス」「楽観主義」 など性格的な要素や物の考え方なども含まれます。 そして、友達や仲間と繋がることなど、環境的な要素でもレジリエンスは高まります。 自助グループやピアサポートへの参加もレジリエンスを高めることに繋がると言えるでしょう。
ナラティブって何ですか?
ナラティブ(narrative)は「物語・語り」を意味する英語ですが、 自助グループ・ピアサポートの世界ではナラティブ・セラピーの意味も持ちます。 ナラティブ・セラピーは自分のことを話して、他人に受け止めてもらうことで得られる癒しのようなものです。 自助グループのミーティングでしばしば行われる「言いっぱなし・聞きっぱなし」等では、 参加者が自分の人生の経験・物語(ナラティブ)を互いに話し、聞き合います。 そうすることで、孤立感が和らいだり、自分の体験を客観視できたり、やっていく力が沸いてくる効果が期待されます。
バウンダリーって何ですか?

バウンダリー(boundary)は「境界」を意味する英語です。 ピアサポートの言葉としては「他人との境界」という意味を持ちます。 ピアサポートでは、バウンダリーを越えて相手の領域に踏み込み過ぎたり、 自分の領域が相手に浸食され過ぎたりすることがしばしば起こります。 自分と相手との間にバウンダリーの線引きを出来ていないと、以下のようなことが起こります。

  • 相手に対して理想を押しつける
  • 相手が自分で出来ることまでやってしまう
  • 相手の言うなりになってしまう
  • 相手のためにお金や時間、体力を使い過ぎてしまう
このようなことが起こると、相手からの信頼を失ったり、疲れ切って燃え尽きてしまう結果になりかねません。 バウンダリーにわかりやすい正解はありませんが、自分が他人をコントロールせず、 自分が他人にコントロールされないような適切な距離感を意識する必要があるでしょう。
クリアリングハウスって何ですか?
「クリアリングハウス」とは、さまざまな課題を抱える自助グループ・ピアサポート・患者会の活動を支援し、 社会への啓発活動に取りくんでいる機関です。 セルフヘルプ支援センター等の名称で一部地域で運営されています。 自分に合った自助グループ・ピアサポート・患者会を探している場合や、 自助グループ等の立ち上げ・運営で困ったときは相談に乗ってくれるかもしれません。 ただし、それぞれの自助グループが扱っている問題についての相談やカウンセリングなどは行っていません。 尚、各地域の社会福祉協議会では、クリアリングハウスを名乗っていなくても同様な活動をしている場合があります。
「言いっぱなし、聞きっぱなし」って何ですか?
自助グループの中には、ミーティングのルールとして「言いっぱなし、聞きっぱなし」を原則としているものがあります。 「言いっぱなし、聞きっぱなし」とは一人の人が話している間、他の人は黙って話を聞くというものです。 人が話した内容について質問や助言、批判を一切してはいけません。 ですので一旦「言いっぱなし、聞きっぱなし」のミーティングが始まると、そこには会話というものはありません。 傍から見たらそれは異様な光景かもしれません。ミーティングで聞いた話は、 一切の口外が厳禁となっている場合も多いです。しかしそうすることで、 人に話しにくいことも自分のペースで安心して話すことができるのです。
アドボカシーって何ですか?
アドボカシー(advocacy)は「擁護」や「弁護」を意味する英語です。 ピアサポートの言葉としては、同じ病気や障害、生き辛さを持つ仲間に代わって声を上げるという意味を持ちます。 アドボカシーの活動としては、問題への理解を社会に広げる啓蒙活動、政治への働きかけ等が挙げられます。 当事者ミーティングは内向きな活動ですが、アドボカシーは外向きな社会的活動と言えるでしょう。 ですが、例えば当事者以外も参加可能なオープンミーティングの開催は、問題への理解を外へ広げるアドボカシー的な活動とも言えます。 内向きな活動と外向きな活動はどちらも意義のある活動です。どちらに重点を置くかはグループのポリシーによって異なりますが、 自助グループポータルは内向きな活動に重点を置いています。
当事者研究って何ですか?

なんらかの悩みや問題を持った当事者が、 その問題にまつわる経験や経緯、考えたことをホワイトボードに書き出し、 自分にマッチした自分の助け方を当事者同士で互いに話し合うことです。 北海道浦河町にある社会福祉法人「べてるの家」と浦河赤十字病院精神科で始まったプログラムですが、 精神障害の枠を超えた様々な生き辛さの問題を扱うものとして広がり始めています。

自助グループが行う当事者研究は以下のようなメンバーで構成されます。

  • 研究者
  • 悩みや問題を抱えている当事者です。自分が抱えている問題を他人事のように解説・研究します。
  • 共同研究者
  • 研究者が抱える問題を一緒に研究する人たちです。自助グループが行う当事者研究では、似たような問題を抱えた当事者である場合が多いでしょう。
  • 記録係
  • ホワイドボード等に発言を書き出す人ですが、共同研究者でもあります。研究者自身が書く場合もあります。

研究の手順としては、研究者が悩みや問題についてこれまでの経緯や対処方法を話します。 その際、自分の問題を比喩的なユーモアを用いて語ることがあり、 「べてるの家」ではこのようなべてる基本用語を使っています。 研究には「片付けられない病」のような題名・病名を付けます。 共同研究者は問題の現状について質問したり、抱えている問題の背景を話したり、 自分の場合の対処方法や既存の対処方法との比較検討をしたりしながら、共にその問題について考えます。 記録係は研究者や共同研究者の発言をホワイトボードに記録します。

自助グループが行う当事者研究の中には、研究内容を匿名の研究事例として一般に公開する場合があります。 その場合自助グループのルールにある『ミーティングで聞いた話は外部で話さない』が 適用されないことになります。しかし、ミーティング活動の内容が公開されることで、 当事者活動が社会との接点になって問題への理解を促すことになるかもしれません。

当事者研究の目的は「研究する」ことであって、問題の解決を目指すものではありません。 しかし研究の結果、研究者が行き詰っていた自分の助け方に新しい視点が開けるかもしれません。

輪になって座って話すんですか?
自助グループのミーティングというと「輪になって座って話す」というイメージがあります。 会場のスペースと人数にもよりますが、机をロの字型などに並べて、それぞれが適当に座って話すことが多いようです。 ミーティングの種類によっては、教室で学生が教壇に向かうように座る、ということもあるかもしれません。
抱き合って泣いたりするんですか?
ファイト・クラブ という映画の中で、主人公が自助グループに参加する場面があります。その自助グループのミーティングでは、 司会から「さあ抱き合って泣きましょう」と言われて、参加メンバーが抱き合って涙を流すシーンが描かれています。 日本国内でそのような形のミーティングを行っているグループはほとんどないと思ってよいでしょう。 ただ、握手をしたり手を繋いだりすることはあるかもしれません。
自己啓発セミナーとどう違うのですか?
自助グループは巧妙な勧誘はしませんし、 勧誘活動を強要することもありません。 高額な参加費・教材等の購入も必要もありません。 集まりへの参加を強要したり、脱会が難しいといったこともありません。 参加者の階級・序列のようなものもありません。 主催や司会が指導者のような立場を取ることもありません。 自助グループであることを騙ってこのような活動を行っている団体には注意が必要です。
自助グループって宗教団体なんですか?
自助グループは宗教団体ではありません。ただしアルコール・薬物・ギャンブルなど、 依存症の問題を扱った12ステップグループはキリスト教の影響を受けているので、宗教のように感じる人もいます。
AA、GA、EA、HAなど、後ろにAが付くアルファベット数文字の自助グループはどのような自助グループなのでしょうか?
AAはAlcoholics Anonymousの略で、アルコール依存症者のための自助グループ、 GAはGamblers Anonymousの略で、ギャンブル依存症者のための自助グループ、 EAはEmotions Anonymousの略で、感情・情緒的な問題を持つ人のための自助グループ、 HAはHikikomori Anonymousの略で、ひきこもりの人のための自助グループです。 いずれの自助グループも、「言いっぱなし、聞きっぱなし」のミーティングを中心に活動しています。 また、これらの自助グループは12ステップと呼ばれる回復のためのプログラムを採用しており、 ミーティングではしばしば12ステッププログラムのテキストの読み合わせをします。 参加者はミ-ティングで本名を名乗る必要はなく(匿名:Anonymous)、自分のことは適当なニックネームを名乗ります。 これらの自助グループは当事者(経験者含む)によって自主独立して運営されており、運営資金も自分たちの献金に よって賄っています。
12ステップって何ですか?
主に依存症の問題を扱った自助グループでしばしば用いられている回復のためのプログラムです。 元々このプログラムはアメリカで発祥したアルコール依存症者のための自助グループであるAA(Alcoholics Anonymous)が作成したもので、 和訳されて日本でも利用されています(参照:AA 12の ステップ)。 このプログラムでは、自分のことですら意思の力だけではどうにもならない、という事実を受け入れることを説き、 回復のために自分を超えた大きな力(神のようなもの)を想定しています。 人によっては宗教(キリスト教)のように感じて苦手意識を持つ人がいるかもしれません(参考図書:失踪日記2 アル中病棟)。 12ステップの用語はこちらをご参照ください。
自助グループに行ってみたのですが性に合いません。
世の中には様々な自助グループがあるので、合う合わないという相性があります。 他のグループを探して参加してみるのも良いでしょう。 あるいは、あなたが自助グループを立ち上げてみることもできます。 ただ、もしかするとあなたにとって、自助グループ自体が性に合わないのかもしれません。 その場合は医療や福祉、NPOなどの専門家に問題への対処について相談してみてください。 自助グループはあくまでも問題に向き合う選択肢の一つです。
人から自助グループを勧められましたが行きたくありません。
自助グループは自分の意思で自主的に参加するものです。 他人から指示、強制されて参加するものではありません。 どんな理由があろうとなかろうと、あなたが行く義務はありません。 そのことであなたを非難、説教したりする権利は誰にもありません。 あなたが行きたくなければ、行かなくてよいのです。
本名を名乗りたくありません。
本名を名乗ることを原則としている自助グループもありますが、名乗る必要のない自助グループもあります。 本名を名乗らない場合は、適当なニックネームを名乗ることが多いようです。 自助グループのポリシーによって異なりますので、詳しくはそれぞれの自助グループにお問い合わせください。
自分のことを話したくありません。

何も話したくないときには発言をパスすることができます。無理に自分の事を話す必要はありません。 ミーティングへ参加したということは問題に向き合う意思の現れですので、参加するだけでも十分意味があることです。 話したくない、話せない、話すことに葛藤や不安がある、けれどもそのミーティングに参加している、 そのこと自体があなたのメッセージです。ミーティングで誰もそのことを非難したりはしません。

そして、その場にいて人の話に黙って耳を傾けるだけで、人の役に立つこともできます。 話す人にとっては、聞いてくれる人がいてありがたいことだからです。 似た問題を抱えた人の話に耳を傾けてみてください。中にはどうでもいい話や、 くだらない話、ろくでもない話もあるでしょう。しかしあなたが共感できる話もあるかもしれません。 そのような話を聞いたとき、あなたは自分の事も話してみたくなるかもしれません。

何を話せばよいのかわかりません。
自助グループのミーティングによっては、話すテーマが決まっている場合があります。 その場合は、テーマについて自分が思うことを正直に話しましょう。 テーマがない場合、あるいはテーマはあるけれども自由に話して良い場合もあります。 そのときは、自分が今思っていることを正直に話しましょう。社会の規範や常識に囚われないでください。 死にたければ「死にたい」と言いましょう。殺したければ「殺したい」と言いましょう。 そのようなことを、ネット上ではなく生身の人間を前にして自分の口から話すのは大変勇気のいることです。 しかしあなたが恐れるべきなのは、周りを気にして自分が本当に思っていることを話せないでいることです。
人の話を聞いて笑ってしまっていいのでしょうか?
意外にデリケートな問題かもしれません。話している本人が笑わそうと思って話しているのであれば、 大いに笑ってしまっていいでしょう。 しかし、意を決して血を吐くような思いで話していることを笑ってしまうと、その人は二度とミーティングに来なくなるかもしれません。 逆に笑われることで自分で自分を笑えるようになって、自分を客観視できるようになるかもしれません。 不可抗力で笑ってしまうのは止むを得ませんが、基本的には黙って聞くことに徹するのがいいでしょう。
自助グループに参加して何か問題が解決するのですか?
自助グループに参加しても現実的な問題はすぐには解決しません。 大抵の自助グループで参加してやることと言えば、自分の事を正直に話したり、 自分と同じ問題に向き合っている人の話を聞くだけです。しかし自助グループポータルは、 それだけのことで自助グループが現実に向き合うあなたの力になれると信じています。
抱えている問題についてアドバイスが欲しいです。
自助グループのミーティングにもよりますが、参加してもアドバイスは得られないかもしれません。 アドバイスが欲しい場合は、家族や友人、あるいは医者などの専門家に相談すると良いでしょう。 しかし、私がどんな事でどんなふうに苦しんでいるのか彼等はわかっていない、 と思うことはありませんか?「社会的に正しい」アドバイスをもらってうんざりしたことはありませんか? 彼等はあなたの抱えた困難を血肉では理解していないのではないでしょうか? アドバイスの必要性を否定するものではありませんが、 下手なアドバイスをもらって「そうじゃないんだ!」と叫ぶよりも、 似たような問題に向き合っている人の話を聞き、 自分の事を正直に話すのは意味のあることだと自助グループポータルでは考えています。
自助グループにいつまで参加し続ければいいのでしょうか?

自助グループは自分の意思で参加するものです。誰かに指示・強要されたりして参加するものではありません。 いつまで参加し続けるのか?という問いに対する答えを出すのもあなた自身です。 あなたはいつでも、自助グループに出たくないから出ない、出る必要がないから出ないという判断を下すことができます。 また、抱えている問題が解消した、あるいは問題に向き合って生きていく力が付いたから、 もう自助グループに行く必要がないと判断するもごく自然なことでしょう。

その一方、それでも自助グループに参加し続ける、という選択肢もあります。 自分は自助グループに行く必要がないと判断した後でも、自助グループに参加し続けることで あなたはかつての自分と似た状況にある人の助けになることができるかもしれません。 あなたが自助グループに行くのをやめても、自助グループ自体は存続していきます。 その自助グループには、問題の渦中にあって苦しんでいる人もいるでしょう。 あなたはかつての苦しかった自分の体験を語ったり、自助グループの運営に加わることで、 そんな人たちの目標、ロールモデルになったり、人から頼られる存在になるかもしれません。 ただ、そのときに注意すべきことがあります。あなたが問題の渦中にある人を指導したり説教したりしてしまうことです。 あなたがそのような状態になったとき、その自助グループは崩壊への道を辿るかもしれません。
自分が抱えている問題を扱った自助グループが周りにありません。
いっそ自助グループを作ってみてはいかがでしょうか? 現在、自助グループ・ピアサポートの多くは比較的重い問題を扱っています。 しかし自助グループはもっと多様な悩みを扱ってもいいのではないでしょうか? 心身疾患や障害などがない人であっても、 自助グループは気持ちを吐き出す場所の一つとして支えになることでしょう。 自助グループポータルは自助グループの立ち上げ、運営に関わるノウハウも提供しています。 よろしければ、ご参考までに本サイトのコンテンツをご参照ください。